3.実作業

 理想的な作業順はこんな感じでしょうか。

 「設計>>パッド配線>>ガワ加工>>TS配線>>仕上げ」
 (正直ガワ加工は配線の後でも先でもいいんだけど、『考えている加工が可能かどうか?』という事を常に考えておく事)

i) 設計
 設計、っていうと大げさですが、色々と妄想想像してください。 箱パッドをどうするのかとか、シイタケとか、ボタンの配置とか、ボイチャ端子とか。 ある程度の当たりをつけて、ざっくりと工作の準備をする訳ですね。
 ボタンをどう配置するかで穴あけ作業とかが決まるしね。 パッド格納の場合は、配置場所も考えること。
 ある程度固まったら、必要なボタンなんかを調達。

 実物があるなら、ボタンの実物でボタンのふちの部分を含めて干渉しないかどうかの確認。 ケースの内側もよく確認。 これは結構重要です。
 更に高さも確認。 ファストン付けると高さが増すので、裏蓋と干渉するかもね(その場合は、端子を90度曲げるというのもありです)。 SSの箱に30φのボタンを付けてファストンで接続すると、多分ぎりぎりで干渉するかしないか微妙なとこだと思います。

 またパッドでの配線のイメージが既にあるならば、ここでどこに何色のケーブルを繋ぐのかとかも先に考えておけば良いですね。


ii) パッド配線
 パッド基板への配線。 何ボタンを乗っ取るのかを考えておいて、その通りに線を付けて行きますが、まずは整理。
 紙にでも各ボタンをざーっとリストにして、その横に使うコードの色を書いておくと、取り敢えずは間違えない。
 電線の長さは、パッドの最終配置場所に応じて変わるかな? スティック基部を迂回させたりするならば、その辺も考えて。<
 パッドのボタンの信号取りポイントは、「家庭用アーケードスティックスレまとめWiki」の先達に感謝しつつ、「乗っ取り>>XBOX」の画像を参照。
 旧版と新版があるが、ここ最近買ったならば多分新版でしょう。 まぁ、開けてみりゃ分かるさ。 開けた後は、上記TIPS参照の事。


 (新バージョン信号取りポイント From"家庭用アーケードスティックスレまとめWiki")

 新バージョンの図だと、黄色いところが共通−(GND) 。 新だとGNDは全部共通化されてます(アナログ以外)。
 例えばXに配線するときは、配線予定のボタンからX_Oへとまず繋ぎ、その後黄色い場所のどれからでもいいのでボタンに繋げばOK。
 その次にYに配線するなら、同じくY_Oから繋いだ後、また黄色に繋げばOK。 でも、ここで考えるのは、黄色から引っ張ってるならどこに繋いでもOKな訳。 だからさっきXのボタンに引っ張ってきたGNDに繋いでもいいのよね。
 だから、この場合はGNDから引っ張ってきた電線に、Yのボタンもタコ足配線してもOKです。 ボタンの足から足へリレーのように配線してもOK。

 ただし、これは新バージョンのデジタルボタンについてだけのお話。 アナログボタン/スティックや、旧バージョンのパッドの場合は話が違う。

 (旧バージョン信号取りポイント From"家庭用アーケードスティックスレまとめWiki")

 旧の図をみると各ボタンの名前に1・2と付いてるけど、これは1が+で2が−。 2のポイントがいくつか共有されている所以外は、全て独立して−を抜きましょう。

 アナログボタン(トリガ)は、基本的に同じ可変抵抗が付いているので、使用する端子2本から線を引っ張ればOK。 3つの中の上2つね。
 可変抵抗を外したい時は、真ん中と下を10KΩの抵抗で繋いどくと良いらしいけども、自分でやってないので分かりません!

 スティックの信号をどこから取るのかってのは、良く考えたほうがいいですね。 個人的にはアナログのポイントの方がハンダ付けしやすいので(抵抗機の端子で盛り上がっているから)、左右レバーはアナログスティックからとるのが好みです。
 ただその場合、TS側のレバーの基板パターンを切り取らないといけないので、それが嫌な場合は十字とABXYをレバーに割り振りましょう。 新バージョンの場合、これだと基板加工どころかレバーから出てるコードと結線するだけで良いのでお手軽ですな。
 旧の場合は、結局パターンカットすることになると思うので、作業量としてはあまり変わらないかな。

 また、TSのWボタンとTボタンはそれぞれのスティックでGNDを共有してるので、旧パッドでもGND共有してるボタンらを割り振ると幸せになれます(AとX、BとY)。

 それとは別に、他のゲームでの使用を考えているならば、そちらも視野に入れてのボタンアサインを考えましょう。 その場合、5.66のボタン設定はかなり柔軟のようなので、別ゲーを前提に考えるといいのかも知れません。

 ボイチャ端子は、合計8本の接点が出てます。 真ん中4つと左右に2つずつ。 後は割れピン2つで固定されてます。
 端子を丸ごと移設するには、8本全部からハンダを取って、端子を外す必要があります。
 この場合、ボイチャだけならば真ん中の4本のみ結線すればOKかと思います(自分ではやってないので未確認)。
 これの内訳は、モノラルのフォンに1本、マイクに1本、共通GNDに1本、それとボイチャOKのための確認のために1本、じゃないかな? そう考える根拠は、この端子を普通の2.5mmミニミニステレオジャックで伸ばすと、常時ボイチャOKと表示されるという報告があるからなんですが、実際どうなんだろ? 4つ目の足が繋がっている部分がなんらかの動きでONとなり、ピンジャックが入ってるか否かを感知するのかな、と思うけども。
(コレは全部想像なので、実際とは違う可能性が高いです)

 また左右の4つの線は、他の周辺機器のための物っぽいので、不要なら無視。


 (ボイチャ端子全部繋いじゃいましたの図)

 なので、単にボイチャだけを考えるならば、2.5mmのミニミニステレオ延長コードや、ジャックやコードかって来て延長ケーブル自作して、小さい穴だけ作ればOKね。
 (コードをガワの穴に通してからジャックを付けて、その後カバーを締めるだけでOKね。)
 2.5mmステレオ関連パーツは、この辺で。
 ステレオジャックに関しては、この辺の真ん中辺りを。 基本的にはテスターで調べりゃOKでしょうね。


 で、結線したらまずは動作確認ね
 動作確認をサボってまとめてやっちゃうと、間違ってた時に後々面倒になるかも知れないので、2つ毎くらいにはやった方がいいと思う。 で、動作確認が終わったら、ホットボンドで各コードのハンダ付け部を固定。 きっちりね。 これをやるとハンダ付けした部分が外れちゃう危険が本当に減ります。
 ボイチャ端子をいじる場合は、ちゃんと箱でメッセージの録再が出来るのも確認ね。

 で、動確が終わったら使わないアナログ関連は、ホットボンドを使って固定してしまいましょう。 何かに当たったりすると誤動作の原因になるのでね。 左右トリガはつまみ部分を覆うように基部までボンドをつけて、左右スティックはスティック基部の隙間にみっちりとボンドを流し込みましょう。
当然、PCに繋いで入力がない状態なのを確認して、固定する事。




iii) ガワ加工
 ボタンや穴あけ位置が決まったら、TSのガワの加工。 これをやっちゃうと、もう戻れない感がバリバリ出ます。
 まぁ適当に印つけて、ピンバイスやらドリルやら半田ごてやらwで下穴を開けて、リーマーで拡張しちゃって下さい。
 やり過ぎないように、時々ボタンがはまるかどうか確認しながら慎重に穴あけ

 ボイチャ端子穴は、まぁ適当に。ヘッドセットの付け方でコードが出てる方向が違うだろうから、その辺考慮して穴あけ。 プレイの邪魔にならないようにってのは当然ね。 ヘッドセットの取りまわしも考えて。
 言うまでも無いと思うけど、小さめに穴開けてから、カッターやヤスリで徐々に慎重に拡大ね。


iv) TS配線

 続いてTS側への配線と、パッドとの結線ですね。 その前に下準備。
 TS側は、スティック部にレバー2本にボタンが4つ、SS版はそれとは別にスタートが1つ。 DC版はスタート(スペシャル)とQM用ボタンが1個ずつ。
 ただいずれにせよ、パッドのシイタケとBackは最低でも用意して置くべきだと思うので、その前提でいくと基部にはボタンが3つあるはず。
 ゲームボタンならば、ファストン端子をそのままぶっさせるので、各対応ボタンの+−には端子を繋いでおけば後は刺すだけ。
 (ただ、使ってる電線が細いので、通常のようにカシメるだけでは心許ないため、自分はいつも少しハンダつけてます)
 またDC版は基部ボタンはそれぞれからコードが出てるので、結線しやすいですね。
 SS版はスタートの基板を外して、ボタンのパターンを追っかけてハンダポイントを探しましょう。 確か片方はICの足からとった気がする・・・。 普通はこの基板機能はまったく不要になりますので、ここは無茶してもOK。 要はボタン押し込みで電流が流れりゃいいのよ。

 L/RW・Tボタンは、左右とも電線は3本ずつ(W、T、GND)なんで、対応するPAD側と結線。 元々ついてるコネクタは切断ね。

 左右レバーは、簡単に言うとそれぞれ上下左右の4つのマイクロスイッチの塊です。 で、スティックをてこの棒に見立てて、上でスティックを倒す度に、逆方向のスイッチがONになるという仕組み。
 SSもDCも、5本の線が出てます。 黒が共通GNDですね。

 ここで新Verのデジタル乗っ取りだと、左右ともにGNDが共通でいいので電線同士を繋ぐだけでOKです。 なので特に言う事はないです。 あえて言うなら、上下左右を間違えないようにね、というくらい(SSのレバー基板にはUDLRのマークがあったけど、DCには無かったような)。 スティックの動きと逆にスイッチが押される事を考えて、間違えないように。
 旧Verやアナログ乗っ取りの場合は、基板のパターン削り取り+結線+GND3つはハンダ付け(一つは黒線つかえるね)という作業になります。
 まずはレバー基板を外し、共通GNDを共通じゃ無くします。 各スイッチの足を確認しながら、つながってるGNDの基板パターンを削り取る事で独立させます。 正確には、上下と左右のGNDは共通で良いんだけど、SSもDCも完全にばらさないといけないのだ。 んで、バラバラにした後、上下/左右のGNDを電線で繋ぎます。(※パターンカットはTIPS参照)

 最後にレバーの電線をPADと繋いで配線は完成です。 繋ぎ終わったら、面倒でも裏蓋を閉めて(仮止めでビスは2つとかでいい)、最終の動作確認。 そうそう、裏蓋した時に、スイッチの足とかが干渉して無いか良く確認ね。 SSのスペシャルとして30φのボタンつけるとちょっとつっかえるので、自分はスイッチの端子を横に曲げています。
 動作確認は、当然ながら乗っ取ったボタンやスティックを使う物がいいですな。

# なんとなく自分は豆腐マン(TooHuman)を使ってしまうw
# あと、ここはPCでやった後、箱でもやったほうが何となく良いかと。
# 毎度ですがメッセージの録再使って、ボイチャの確認とかもしましょうね。

 最後にPAD基板の配置場所を決めて、コードを少しまとめたり避けたりしつつ、絶縁体で基板を包んで(プチプチがいいかな。パーツ通販してたらあるだろうし。ガムテでもOKか?)、TSの中にテープなどで固定しましょう。 もし外れたときにも影響が出ないような感じが良いですね。


v) 仕上げ
最後は仕上げ。 ボイチャ端子を外に出す場合、パテ盛とかしましょう。 綺麗に繋いだならば要らないけどw(旧ヘッドセットを使ってると、ある程度出っ張らせないといけないから、やっぱ必要よね)
 何を使うかは好みだと思うけど、自分はポリパテを選びました。 あんまり待ちたくなかったのでw Waveの革命モリモリで盛りまくり。 色が白い方がいいからスベスベが欲しかったけど、近所の模型屋に無かったから仕方ない。

 (パテ盛りました。この後削ります)

 仕上げに色を付けて完了です。 完璧を求めるなら、ガワだけ外してマスキングしてスプレーですかね・・・。 その辺は個人の趣味なんで、ご自由に!
 白いパテでやれば、色塗りは不要かもね。

 (作業完了したSS版)



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